「引越しすることが決まったけれど、実は家がゴミ屋敷になっている」ことを誰にも相談できずに困っている人はいませんか?
ほとんどの場合、引越しには期日が伴います。つまり、ゴミ屋敷になっている状態を前もって解消しなければならない訳ですが、その方法や流れについては誰に尋ねればよいのかも分からないと思います。
そこでこの記事では、不用品回収やゴミ屋敷清掃のプロが片付けに困っている人に向けて「ゴミ屋敷は引越し時にどうすればいいのか」について分かりやすく徹底解説します。
目次
ゴミ屋敷の状態から引越しする場合、いかなるケースにおいても「ゴミ屋敷を片付けてから引越し」が原則です。
引越し前にゴミ屋敷を片付けなければいけない理由として以下が挙げられます。
上記について解説します。
ゴミ屋敷を引越し前に片付けなければいけない理由は、賃借人(居住者)に「原状回復の責任」があるためです。
国土交通省住宅局は、原状回復の定義を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」としています。
ごく簡単に言うなれば「入居時の状態」にして返す(退去する)ということです。このことは、ゴミ屋敷は片付けてからでないと引っ越せないということになります。
出典:国土交通省住宅局、2011年、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
「多くの引越し業者はゴミ屋敷清掃サービスに未対応」ということも理由です。ゴミ屋敷清掃の作業と、引越し作業をまとめて引っ越し業者に依頼しようと考えがちですが、これに対応した引っ越し業者を探すことは極めて困難と言えるでしょう。
それぞれサービス内容が異なるため「ゴミ屋敷清掃はゴミ屋敷清掃業者」そして「引越しは引越し業者」と分けて対応しなければいけません。
ゴミ屋敷清掃には人員と車両、そして専用の道具なども必要です。そもそも引越し業者は、片付けに特化していないことを忘れないでください。
引越し前にゴミ屋敷を片付けなければいけない理由は「引越し業者は不用品の回収と処分に対応していない」ことも挙げられます。
原則として、引越し業者はその業務形態上「不用品(ゴミ)の回収と処分」に関する許可(一般廃棄物収集運搬業務)を有していない可能性が高いと考えましょう。
つまり、ほとんどの引越し業者は「ゴミ屋敷清掃に対応できない」訳です。事実、引越しと廃棄物処理を同時に請け負った悪徳業者が不法投棄した事例もあり、依頼主にその責任が及ぶ可能性があります。
出典:一般社団法人全国物流ネットワーク協会、運送事業について
ゴミ屋敷を引越し前に片付ける方法は以下の通りです。
それぞれ解説します。
最も基本的な方法が「自分で片付ける」です。自治体のルールに沿って、自分でゴミや不用品を処分します。
地域のゴミ出しルールや、引越し期日までの時間といった様々な制約の中での作業になるため、ゴミ屋敷の程度によっては現実的ではないかもしれません。
迅速かつ確実な方法が「ゴミ屋敷清掃業者に依頼する」です。ゴミ屋敷清掃業者であれば、不用品の仕分けや回収、そして処分までが概ね1日内で片付くため、引越しを控えていても対応できるでしょう。
一方、ゴミ屋敷は片付くかもしれませんが、それにかかるコストの発生は避けられません。ワンルームで120,000円~が目安とされています。
ゴミ屋敷の片付けから引越しするまでの流れについても把握しておきましょう。
上記の流れについてそれぞれ解説します。
まずは「必要品と不用品を自分で仕分ける」ことから始めます。引越し先でも使う物や貴重品などを分別し、誤って処分してしまわないようにしましょう。
自分では見つけられないほどに散らかっている場合は、業者と「必要品リスト」を共有することで、大切な物を選別してもらいながら片づけを進めてもらえます。
次に「ゴミ屋敷清掃業者を選ぶ」です。地元のゴミ屋敷清掃業者や不用品回収業者を最低でも3社選択肢、相見積もりをとったうえで選定します。
地元の企業が良い理由は、交通費などの余計なコストがかからないことや、即日対応にも応じてもらいやすいためです。
業者を選定したら「ゴミ屋敷清掃作業」です。ゴミ屋敷の程度にもよりますが、床が見えないほどにゴミがある場合や、ゴミが天井まで積み重なっている場合であっても、ワンルームであれば数時間内に終わると考えてよいでしょう。
価格の安さもさることながら、片づけが完了するまでのスピードも重要です。何人で作業に対応してくれるかも業者選びのポイントになります。
次に「清掃またはハウスクリーニング」です。これはゴミ屋敷清掃業者が片付け時に対応してくれることが多いため、見積もり時に確認しましょう。
とくに、キッチンやトイレといった水回りの清掃は、原状回復の印象に大きく影響しますので、これらも業者に依頼した方が無難です。
ゴミ屋敷清掃が終わったら「引越し」です。必要に応じて引越し業者に依頼して引越し作業に移ります。
なお、ゴミ屋敷清掃業者や不用品回収業者のなかには「荷物の配送」に対応している業者もあるため、見積もり時に引越し先まで荷物を運んでくれるかどうかも確認することをおすすめします。
ゴミ屋敷清掃と引越しはそれぞれ別の作業と考えましょう。このふたつを効率的に進めるためには、以下のコツを参考にしてください。
このように、ゴミ屋敷清掃と引越しを効率的に進めるためには「先にゴミ屋敷清掃を済ませる」ことが不可欠です。
その際には、できるだけ自分で片付けておくことでコスト削減や作業時間の短縮につながります。
引越しが決まった時点ですぐにでも不用品回収業者にゴミ屋敷清掃を依頼するようにしてください。
ゴミ屋敷清掃は不用品回収業者に依頼しましょう。なぜなら、不用品回収業者であれば、ゴミの回収と処分の作業効率がよく、片付けのノウハウも持ち合わせています。
引越しに先立ち、不用品回収業者に不要な物をすべて引き取ってもらうことで、余計な荷物が減り、引越しも円滑に進みやすいでしょう。
引越しに伴うゴミ屋敷清掃では、不用品回収業者の「買取サービス」が役立ちます。買取サービスとは、家電やブランド品、アンティーク品といった価値ある物を作業時に業者に買い取ってもらうサービスのことです。
買い取り価格は作業代と相殺してもらえるため、コスト節約につながります。ゴミ屋敷であったとしても、再利用できる物があるならば、買取サービスに対応している業者に依頼するのが得策です。
ゴミ屋敷は引越しの際に必ず片付けなければいけません。間違っても、敷金で片付けてもらえるなどと安易な考えはしないようにしましょう。
自分では片付けられないと感じる場合は、ゴミ屋敷清掃に対応している不用品回収業者に相談するようにしてください。
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