みなさんは「家財整理」と「遺品整理」の違いについて理解していますか?恐らく、ほとんどの人が同じ意味として解釈しているのではないでしょうか。
家財整理と遺品整理には大きな差はないと考えていると、いざ家財や遺品を整理するときになって業者を探すのに混乱してしまうかもしれません。
そこでこの記事では、不用品回収やいひ遺品整理のプロが「家財整理と遺品整理の違い」について、しっかり覚えておきたいポイントを初心者にもわかりやすく解説します。
目次
「家財整理」とは、主に一般家庭で使用されている家財道具を片付ける、または処分することを指しています。
家財道具の具体例としては、タンスや食器棚、テーブル、ソファ、ベッド、そして家電製品などを含む、大型の家財道具をはじめ、食器や衣類、さらには書類といった細かな物も含まれます。(動産と呼ぶこともある)
一方で、家財には別の意味もあります。それは「家で所有または継承される財産」というもので、先に述べた家財道具一式のほか、土地や建物、さらには商品などを含めて家財(家産)と呼ぶケースもあることを知っておきましょう。
ほかにも「遺品整理、生前整理、空き家整理」といったことをまとめて家財整理と表現することもありますが、昨今では「家財整理は家主が亡くなってから実施する」ことがほとんどであることから、遺品整理の同意義で使われることが多くなっています。
「遺品整理」とは、故人の所有物を仕分け、整理、保管、あるいは処分することを指しています。
身内を亡くした遺族の責任下でおこなわれることがほとんどで、家族や親戚だけで対処するケースもあれば、業者に依頼しなければ対処できないようなケースもあり、ひと言で遺品整理と言っても、その形や事情は様々です。
遺品整理の特徴として挙げられるのが「仕分け作業」を含むことがあります。家財整理や不用品回収といったサービスは、原則として仕分け作業することなく、処分だけに特化していますので、必要な物と不要な物を仕分ける作業は、遺品整理特有のものと言えるでしょう。
家財整理と遺品整理の違いには、以下のようなことが挙げられます。
上記の違いについて詳しく解説します。
家財整理と遺品整理の違いとして最も分かりやすいのが「作業内容」です。例えば、家財整理は家財道具の処分が主な作業内容になりますが、遺品整理は故人が生前に使用していたものを対象に、必要か不要かを見極めつつ片付けなければいけません。
また、家財整理は物を処分してしまえば終わることがほとんどですが、遺品整理は行政での手続きや、水道光熱費の停止手続き、さらには銀行口座の解約手続きといった非常に手間がかかる作業も含まれます。
家財整理は家族が不要と判断した物を処分するだけなので負担は軽い一方、遺品整理は故人の遺言で意思が示されていない限り大変になることがほとんどです。
「作業にかかる時間」も家財整理と遺品整理の違いです。家財整理は、家や部屋の大きさにもよりますが、業者を利用すれば概ね半日から1日で完了するのに対し、遺品整理は数日から数週間かかることもあります。
仮に、遺品整理で業者を利用するとなると、必然的に拘束時間が長くなってしまうため、その分のコストも上がってしまいます。
最も時間がかかるとされる「仕分け作業」を家族がおこなったとしても、家族が負う時間的な負担は少なくありません。
家財整理と遺品整理の違いには「相続に関する対応」もあります。例えば、家財整理において相続手続きが必要なケースはほとんどありませんが、遺品整理では現金や有価証券、さらには土地や建物といった資産全般の相続手続きが含まれます。
極端な話、家財整理は処分して終わりであるのに対し、遺品整理は物を処分してからもやるべきことは山積といったイメージです。
遺品整理は、物の処分だけでなく、相続などの「書類手続き」も多いことを覚えておきましょう。
家財整理は家財道具を処分したい時に利用するのが望ましく、遺品整理は家財整理などを処分することはもとより、仕分け作業もやってほしいという場合に選ぶようにしましょう。
一方、昨今では曖昧な解釈になりやすい家財整理という言葉を使わずに「遺品整理」や「不用品回収」といった表現が用いられていることが定着しています。
従って、家財道具や遺品などを処分したい場合は、遺品整理や不用品回収といったサービスに対応している業者を選べば間違いないでしょう。
家財整理や遺品整理を業者に依頼する場合、業者選びが重要です。業者を選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてください。
上記のポイントについて解説します。
業者を選ぶ際は「最低3社から相見積もりをとる」ことがポイントです。相見積もりをとることで、最低金額と適正価格が分かるようになります。
遺品整理や不用品回収は、同じ条件であっても業者ごとに料金が変わります。このような特性があるため、できるだけ多くの業者から見積もりをとることが重要な訳です。
見積もりの際は、どの業者にも「相見積もりである」ことを伝え、証拠として残る見積書をもらうようにしましょう。
「許可番号を確認する」ことも業者選びのポイントです。許可番号とは、一般廃棄物収集運搬業務をはじめ、産業廃棄物収集運搬業や古物商番号といったもので、これらは自治体および公安委員会による許可の意味があります。
許可番号は、業者の名刺や公式ウェブサイト、車両などの分かりやすい箇所に掲載されていますが、ご自身がお住いの自治体および公安委員会のウェブサイトからも確認できます。
業者を選ぶ際は「実績が豊富かどうかを確認する」こともポイントです。業者の公式ウェブサイト上で、過去の事例や作業実績を掲載しているかどうかで判断できます。
実績が豊富な業者であれば、作業効率も良く、作業当日のトラブルにも対応してもらいやすく、依頼者のストレスが少なく済むことにもつながります。
以下の記事では、遺品整理業者選びのポイントについて詳しく説明しております。
家財整理や遺品整理は人によって条件や目的が異なります。そのため、業者に依頼するとしても、どんなサービスを使えばよいか分からないといったケースも起こり得ます。
そんな時は「不用品回収業者」に依頼するのがおすすめです。不用品回収業者は、遺品整理やゴミ屋敷清掃、家財整理、そして片付け代行といった様々なサービスに対応していますので、迷ったら不用品回収業者に相談するようにしてください。
不用品回収業者と一緒に相談しながら、役割分担や作業内容、そして料金などを決めていくと円滑に進みやすくなるでしょう。
家財整理と遺品整理は厳密には違いがあるものの、同意義として使われています。家財整理や遺品整理が必要になった場合で、なおかつ自分や家族では対処できないような時は、業者に依頼することをおすすめします。
業者を選ぶ際は、複数の業者から相見積もりをとり、最低料金と適正価格を理解したうえで選ぶようにしてください。
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