遺品整理を行っている時に現金が見つかった場合の対処法をご存知でしょうか?遺品整理では故人が残したお金が見つかることが多く、その対処法を知らないでいると、いつの間にか脱税に加担してしまうこともあります。
遺品整理で現金が見つかった場合の対処法を知っておくことは、結果として残された家族を守ることにもつながるため、正しい知識を身につけておきましょう。
この記事では、遺品整理のプロが「遺品整理の現金」について対処法や注意点を含めてわかりやすく解説します。
目次
遺品整理で現金が見つかった場合、以下の対処が必要になります。見つかった金額を問わず、以下の対処法を理解しておきましょう。
上記について解説します。
「遺言書の存在を確認する」は最初のステップと考えてください。なぜなら、見つかった現金の扱いや、遺産分割、さらには誰を法定相続人として認めるかが明記されている可能性があるためです。
遺品整理で見つかった現金の扱いは、原則として遺言書に従って処理します。つまり、遺言書があるかないかで、その後の対処が変わるわけです。
遺品整理では、現金が見つかった後に遺言書が見つかるケースもあるでしょう。まずは遺言書の存在をしっかり確認するようにしてください。
遺品整理で現金が見つかった場合は「財産目録に記載する」ようにしましょう。財産目録とは、特定の時点で資産と負債の記録をつけ、財産の全容を明記するものです。
財産目録の作成は義務付けられていませんが、個人の資産額が高額な場合や資産の種類が多い、さらには残された家族で遺産相続の揉め事が起きるかもしれない場合などで役立ちます。
遺品整理の際に新たな現金が見つかった場合は漏れなく記載し、後の遺産分割協議や相続税の申告に影響が出ないようにしてください。
「遺産分割協議」も遺品整理で現金が見つかった時の対処法に含まれます。遺産分割協議とは、故人による遺言書がない場合に、家族で遺産の分割について協議し、遺産分割協議書を残すことです。
遺産分割協議書は遺産の名義変更や相続税の申告時に必要になるため、現金が見つかり、なおかつ遺産分割の必要性がある場合は対処すべきと考えましょう。
なお、遺言書が残っており、遺産分割について明記されている場合は、遺産分割協議は必要ありませんので、まずは遺言書の有無を確認するようにしましょう。
遺品整理で現金が見つかった場合は「相続税の支払い」も含まれます。相続税には基礎控除があり、3,000万円+600万円×法定相続人の数だけ控除が受けられます。(2025年9月時点)
仮に、法定相続人が2人だとしたら、4,200万円までは無課税で、4,200万円以上の場合は4,200万円を超える部分に応じて10%〜55%の相続税がかかります。
遺品整理で現金が見つかり、なおかつ控除枠を超える場合は、正しく申告しないと延滞税や重加算税が加わるかもしれません。
遺品整理はいつ始めるのがよいか知りたい方は以下の記事を参考にしてください!
関連記事:親の遺品整理はいつから?遺品整理を成功させるコツを解説
遺品整理でお金が見つかった時は、以下のようなことに注意しましょう。
それぞれ解説します。
遺品整理で見つかった現金は「遺産として扱わなければならない」ことに注意しましょう。特に、相続税の対象になるかもしれない3,000万円を超える現金は、故人の遺産としてしっかり記録に残してください。
見つかったお金を遺産として扱うことは、相続や納税に大きな影響を与えます。後のトラブルの原因になりやすいため、軽視しないようにしましょう。
「相続で揉める可能性がある」ことも注意点です。遺品整理で見つかったお金は、法定相続人間で分割をめぐって揉める原因になりやすいとされています。
見つかった金額を問わず、相続で揉めないように慎重に扱いましょう。揉め事に発展しないように、必要に応じて司法書士や弁護士などに相談することを検討してください。
遺品整理で見つかった現金は「相続税の無申告を指摘される」ことに注意してください。特に、相続税の対象になるような高額な場合は注意しなければいけません。
国税庁は、個人の資産も調査対象にしており、申告されるべきはずの資産が無申告だと、残された家族に調査が及ぶ可能性があります。
「遺品整理業者にネコババされる」ことにも注意しましょう。遺品整理を業者に任せる場合は、見つかった現金をネコババされても気がつかないかもしれません。
遺品整理業者のなかには、現金や遺品の盗難を働く悪質な業者も含まれていることに注意してください。
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遺品整理で見つかったお金を使うと「相続放棄できなくなるかもしれない」ことに注意しましょう。
見つかったお金を使用することは、法的に遺産を引き継いだとみなされます。この結果、故人の負債も含んだ遺産すべてを引き継いだとみなされ、資産だけでなく同時に負債も負うことに注意してください。
遺品整理で現金が見つかった場合、別の場所にも現金があると考えましょう。遺品整理で現金が見つかりやすい場所として以下の箇所が挙げられます。
このように、故人が残した現金はさまざまな場所で見つかる可能性があります。すでに現金が見つかった場合でも、さらに別の箇所にも現金が残されているかもしれないと考えるようにしましょう。
遺品整理では現金が見つかることも考慮し、信頼できる業者を選ぶことが求められます。業者選びの際には、以下を参考にしてください。
上記について解説します。
遺品整理業者を選ぶ際は「許可番号を確認する」ようにしましょう。具体的には、一般廃棄物収集運搬業務や産業廃棄物収集運搬業の許可番号が該当します。
これらの許可番号は自治体が発行するもので、取得するには厳しい審査があります。つまり、許可番号を有していることは、自治体による審査に合格した信頼できる企業と判断できるわけです。
「実績豊富な業者を選ぶ」ことも信頼できる業者選びに欠かせません。遺品整理は経験が豊富な業者ほど、的確でスムーズに実施されます。
また、経験豊富な業者であれば、残された家族に対する配慮もしっかりしているため、業者のウェブサイトなどで作業実績をよく確認しましょう。
信頼できる遺品整理業者を選ぶには「相見積もりをとる」ことも大切です。遺品整理は同じ作業であっても、業者ごとに料金が異なります。
同じ条件で複数の業者に見積もってもらうことで、最低料金や適正価格を把握できます。料金の妥当性や、見積もり時の対応などを通して業者の信頼度を見極めましょう。
遺品整理で現金が見つかった場合は、まずは遺言書の存在を確認してください。遺言書の有無によって、その後の対応が変わります。
遺品整理に時間をかけられない場合や、作業量が大変、さらには遺言書や現金を探せそうにないと感じる場合は、地元の遺品整理業者に相談してみましょう。
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