みなさんはセルフネグレクトという言葉を聞いたことはありますか?セルフネグレクトは、日本語で自己放任や自己放棄とされ、ゴミ屋敷に住んでいる方に広く共通する状態のひとつとされています。
セルフネグレクトとゴミ屋敷は強い関係性が認められ、ゴミ屋敷化してしまう原因になるほか、ゴミ屋敷のリバウンドにもつながりやすいため、しっかり認識し対策を講じることが求められます。
そこでこの記事では、ゴミ屋敷清掃のプロが「ゴミ屋敷とセルフネグレクト」の関係、原因、そして対策方法について初心者にもわかりやすく解説します。
目次
セルフネグレクト(Self-neglect)とは、自分自身の生命や健康、さらには安全に関連する行為全般に対する意欲や能力、そして責任を放棄する状態のことを指しています。
セルフネグレクトは、本人の怠慢や堕落した性格が原因とは限りません。例えば、うつ病などの精神疾患を悪化させてしまうことや、孤立、経済的な困窮、さらには身体機能の低下など、本人の意思や性格とは関係がないことが原因になりやすいことが特徴です。
セルフネグレクトに陥ると、部屋の掃除や片付けを放棄したり、不衛生な環境をいとわなくなったりして、自分を大切にできず、結果的にゴミ屋敷化につながるといわれています。
ゴミ屋敷とセルフネグレクトは強い関係性があり、特に以下のようなことが関係していると考えてください。
上記について解説します。
ゴミ屋敷とセルフネグレクトの関係で最も強いものが「精神疾患」です。具体的には、うつ病、認知症、統合失調症、強迫性障害、不安障害などが該当します。
精神的な健康状態が悪化することで、部屋の片付けやゴミ出しに対する意欲がなくなる、すべてに対して無気力になる、さらには大量の物を溜め込む「強迫的ホーディング(ためこみ症)」に陥りやすくなります。
精神疾患が原因でセルフネグレクト状態に陥った結果、部屋がゴミ屋敷状態になることはよくあるケースといえるでしょう。
「高齢者」もセルフネグレクトとゴミ屋敷が関係する要因のひとつです。高齢者は、家族や友人から孤立しやすいほか、社会的な交流が乏しくなりやすいため、結果としてセルフネグレクトに陥ることがあります。
また、高齢者は身体機能の低下によって片付けられなくなるほか、ゴミをゴミとして認識できない、さらには周囲の声に耳を傾けないことなども相まって、ゴミ屋敷化してしまいやすいといわれています。
認知機能の低下によって、記憶力、判断力、理解力、さらには計画性などが劣り、部屋を片付けたり、掃除したりすることから遠ざかってしまいます。
セルフネグレクトとゴミ屋敷の関係には「身体機能の低下」も挙げられます。加齢と共に思うように身体が動かなくなってしまうことや、怪我や病気によって身体が満足に動かせなくなった結果として、セルフネグレクトに陥るかもしれません。
特に、単身で生活している場合は、掃除やゴミ出し、さらには部屋の片付けがままならず、少しずつゴミ屋敷化が進行してしまうでしょう。
若いときは健康だった方が、何かしらがきっかけとなり身体機能に問題が生じた場合は、影響が大きくなる可能性があります。
「社会的な孤立」もセルフネグレクトとゴミ屋敷に関係があります。家族、友人、さらには近隣住民らとの交流がないことで社会から孤立し、だんだんとセルフネグレクトに陥るかもしれません。
社会的に孤立してしまうことで、周囲の目を気にしなくなるほか、誰も部屋に来ないため、徐々にゴミ屋敷化が進む仕組みです。
公益社団法人あい権利擁護支援ネットが2015年に実施した調査結果によると、孤独死した方の約8割が生前にセルフネグレクトの状態であったと紹介されています。
出典:公益社団法人あい権利擁護支援ネット,2015,P.70「セルフ・ネグレクトや消費者被害等の犯罪被害と認知症との関連に関する調査研究事業」
セルフネグレクトとゴミ屋敷は「経済的な困窮」も関係します。経済的な問題を抱えている方が、自身の生活に対して自暴自棄になり、家の掃除や片付けを放棄してしまうケースがあります。
また、部屋を片付けたくてもお金を工面できず、そのままゴミ屋敷化してしまうこともよくあるケースです。
特に、相談できる家族がいない場合や、周囲に信頼できる人がいない場合などは、お金に困ってゴミ屋敷化しやすいといわれています。
セルフネグレクトになる原因をまとめると、以下のようになります。
このように、セルフネグレクトは精神、身体、そして経済的な原因が、複合的に絡み合って起こることが特徴です。
また、セルフネグレクトの疑いがある方は、部屋がゴミ屋敷化しても不思議ではないことも併せて知っておくとよいでしょう。
セルフネグレクトでゴミ屋敷になってしまった場合の影響として、以下のようなことが想定されます。
それぞれ解説します。
セルフネグレクトでゴミ屋敷になった場合「健康被害」が考えられます。具体的には、部屋が不衛生になるほか、害虫や害獣による感染症、冷暖房が使えない、さらには栄養失調などが含まれます。
セルフネグレクトでゴミ屋敷になっている場合、キッチンが使えず、食事を疎かにしがちなため、本人の健康状態は大きな問題になるでしょう。
「孤独死」もセルフネグレクトのゴミ屋敷による影響のひとつです。誰にも気づかれないまま、ゴミに埋もれるようにして亡くなってしまうケースや、部屋のなかで病気が原因で倒れてしまう、さらには転倒などのリスクも考えられます。
セルフネグレクトのゴミ屋敷では「火災」も想定されます。万が一、火災が起きても消火活動する気力がなく、放置してしまうことも考えられるほか、火災によって他者に被害が及ぶ可能性もあります。
ゴミ屋敷はなぜ火災リスクが高いのか?以下の記事がおすすめ!
関連記事:ゴミ屋敷は火災が起きやすい?費用を抑えて安全に片付ける方法
「近隣住民とのトラブル」もセルフネグレクトとゴミ屋敷で注意すべき点です。セルフネグレクトに該当する方は、近隣住民との交流を拒絶しがちで、ゴミ屋敷の異臭や害虫などのトラブルに対処できず、大きな問題に発展する可能性があります。
セルフネグレクトでゴミ屋敷にならない対策方法は「ゴミ屋敷清掃業者に片付けを依頼すること」そして「セルフネグレクトの原因を特定し改善すること」の2つが必要です。
部屋がゴミ屋敷になっている場合は、心身の健康を考慮し、まずは片付けましょう。ゴミ屋敷清掃業者であれば、早ければ即日で確実に片付くためおすすめです。
同時に、家族や友人の力を借りてでもセルフネグレクトの原因を特定し、根本的な改善に取り組む必要があります。
信頼できるゴミ屋敷清掃業者は、セルフネグレクトなどのあらゆるケースのゴミ屋敷を片付けている実績があります。
片付けのプロだからこそ依頼者の境遇を理解し、心に寄り添った対応が期待できます。ゴミ屋敷を片付ける際に、恥ずかしい思いや、情けない思いがあったとして、あらゆるケースに対応しているゴミ屋敷清掃業者なら安心して依頼できるでしょう。
ゴミ屋敷の片付けは、まずは実績豊富な地元の業者に相談してみることを検討してください。
岡山県でゴミ屋敷清掃業者をお探しならコウノ産業までご相談ください!
ゴミ屋敷とセルフネグレクトは強い関係性があります。特に、孤立しがちな高齢者や、うつ病や認知症の疑いがある方は、セルフネグレクトに陥って部屋がゴミ屋敷化しやすいことに注意しましょう。
ゴミ屋敷の片付けに困ったときは、地元のエリアに対応しているゴミ屋敷清掃業者に相談してください。
関連記事