
亡くなった親の車やバイクが残っているとき、片付けと手続きのどちらを先にすればよいか迷うことがあります。順番の答えは、①片付けの初日に車検証・鍵・保険の書類を探して取り分ける、②車検証で所有者を確かめ、誰が引き継ぐかを相続人で話し合う、③乗る・売るなら窓口で名義変更、解体するなら引き渡して解体が済んでから廃車の手続きをする、④車・バイクを運び出せたら、家の中を本格的に片付ける、です。書類を先に確保しておかないと、手続きの段階で探し直すことになります。また、車やバイクは相続財産にあたり得るため、売る・解体に出す前に相続人で話し合っておくことが大切です。
この記事では、岡山で手続きをする窓口と、片付けとの順番の組み立て方を、現場で遺品整理をしている立場から整理します。
目次
車の鍵や保険の書類は、車の中ではなく、家の引き出しや書類箱にしまわれていることもあります。家財をまとめて運び出したあとで「鍵がない」「書類が見当たらない」となると、手続きが止まってしまいます。
そのため、車やバイクが残っている家では、片付けに取りかかる日の最初に、車まわりの書類と鍵を探して一か所にまとめておくのがおすすめです。
あわせて、車の中やトランクに残っている私物(財布、書類、写真など)も、車を手放す前に一度確認しておきましょう。車を引き渡したあとでは取り戻しにくくなります。
ローンで買った車では、車検証上の所有者が販売店やローン会社になっていることがあります。従来のA4サイズの車検証なら所有者の欄で確かめられます。ICタグ付きの電子車検証は券面に所有者が載っていないため、一緒に渡される自動車検査証記録事項の紙(手元にあれば)か、車検証閲覧アプリで確かめます。軽自動車検査協会は、使用者と所有者が違う場合は、先に所有者の会社から同意をもらってから名義変更をするよう案内しています。故人が使っていた車でも、所有者が別の会社なら、まずその会社への連絡が必要になります。
岡山で名義変更や廃車の手続きをする場所は、車の種類によって分かれています。中国運輸局の案内をもとに整理すると、次のとおりです。
| 車・バイクの種類 | 岡山の手続き窓口 |
|---|---|
| 普通車・小型車、126cc以上のバイク | 中国運輸局 岡山運輸支局(岡山市北区富吉) 登録・検査の問い合わせ:050-5540-2072 |
| 軽自動車 | 軽自動車検査協会 岡山事務所 問い合わせ:050-3816-3084 |
| 125cc以下の原付 | 市町村の窓口(岡山市は各区の市税事務所・支所・地域センター) 廃車の受付先は、ナンバーを交付した市町村に確認してください |
窓口の所在地や受付時間は、国土交通省ウェブサイト(中国運輸局)「岡山県内の運輸支局等」で確認できます。なお、普通車・軽自動車・126cc以上のバイクの名義変更の窓口は、新しく使う人が車を使う場所で決まります。相続した人が県外で使う場合は、その地域の窓口になります。必要な書類は、相続の状況によって変わります。窓口に行く前に、電話で書類を確認しておくと二度手間を防げます。
普通車の場合、誰かが引き継いで乗る・売るなら、所有者を変える移転登録(いわゆる名義変更)が必要です。乗らずに解体するなら、解体したあとに永久抹消登録をします。
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトでは、所有者が亡くなっている車の永久抹消登録は相続人のうち1人の申請でも受け付け、その場合は相続による名義変更をしない、と案内しています。このときは、亡くなったことと相続の関係が分かる戸籍謄本などを添えます。「乗らないなら名義変更を飛ばして解体へ進める」という選択肢がある、ということです。ただし、どちらの手続きでも、誰が引き継ぐか・処分するかは相続人の間で決めておく必要があります。
軽自動車の名義変更は軽自動車検査協会で行います。協会の案内では、相続の場合、所有者が亡くなったことと新しい所有者が相続人であることが分かる書面として、戸籍謄本などか、法務局が交付する法定相続情報一覧図のどちらかが必要とされています。死亡診断書は原則として使えない点にも注意が必要です。詳しくは軽自動車検査協会Webサイト「名義変更(売買・譲渡・その他)」で確認できます。
125cc以下の原付は、市町村の手続きです。岡山市のよくある質問では、原付を相続して取得した場合は標識交付証明書を持って名義変更を、相続したあと売却・譲渡・廃棄した場合は廃車か名義変更の手続きを、と案内しています。
気を付けたいのは税金です。岡山市は、原付には一時的にナンバーを返す制度(一時抹消)がなく、車両を持っている限り軽自動車税がかかるとしています。また、岡山市の軽自動車税の手続きのページでは、廃車について「申告がない場合、車両を所有しなくなった翌年度以降も、軽自動車税が課税されます。」と案内しています。回収業者などに本体を引き取ってもらった場合も、廃車の手続きは別に必要です。岡山市の廃車の手続きでは、ナンバープレートと標識交付証明書を持っていくのが基本なので、本体を手放す前にナンバーを外して保管しておきましょう。
国税庁は、相続税がかかる財産を、現金や預貯金、土地、家屋などのほか「金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と説明しています。値が付く車やバイクは、この「財産」にあたり得ます。一人の判断で売ったり解体に出したりすると、あとで相続人の間の話がこじれる原因になりかねません。
相続放棄を考えている場合は、さらに注意が必要です。民法第921条では、相続人が相続財産を処分したときは単純承認(借金も含めて相続すること)をしたものとみなされます。保存行為などの例外もあるため自己判断はせず、車を売る・廃車にする前に専門家に相談してください。くわしくは遺品整理で見つかった現金・通帳・印鑑の扱い方|相続放棄の注意点でも解説しています。
自動車リサイクル促進センターは、車を引き渡すときに「廃車にする」という言い方をすると、中古車として売るのか、使用済み(解体)にするのかがはっきりしなくなる、と注意しています。故人の車を手放すときは、引き取る側に「中古車として売りたい」のか「使用済みにして解体してほしい」のかをはっきり伝え、その意思を書面などで示しておきましょう。使用済みにする車は、自動車リサイクル法にもとづく引取業者に引き渡します。
バイク本体の処分は、市によって扱いが違います。岡山市の分別区分では、バイク・オートバイ・スクーター・モーターバイクのどの行も「市で収集できないもの」とされ、「販売店か、取扱店へ相談してください。」と案内されています。排気量による区別は書かれていません。
一方、倉敷市(真備地区以外)の分別区分では、50ccを超えるモーターバイクは出せない(購入・販売店へ相談)とされ、50cc以下は廃車手続きをして燃料・油などを抜いたうえで粗大ごみとして出せる、となっています。倉敷市で50cc以下のバイクを粗大ごみに出す場合は、倉敷市の案内のとおり、先に廃車手続きを済ませてください。
家に残っている車・バイク用のタイヤやバッテリーも、岡山市では「市で収集できないもの」です。ほかの品目もあわせて岡山市で収集できないものの出し方|タイヤ・ピアノ・消火器ほかにまとめています。原付の廃車手続きの流れは自転車・原付の処分方法|防犯登録の抹消と廃車手続きの流れもご覧ください。なお、岡山市ではバイク用のヘルメットは不燃ごみの区分です。
ここまでの内容を、片付けの段取りとしてまとめます。
▶ ステップ1:片付けの初日に、車まわりの書類と鍵を探す
車検証・届出済証・標識交付証明書、鍵、保険の書類を一か所にまとめます。車の中とトランクの私物もこの時点で確認します。
▶ ステップ2:車検証で所有者を確かめ、相続人の意向を確認する
所有者が販売店やローン会社なら、その会社に連絡します。誰が引き継ぐか、売るか、解体するかを相続人で決めます。相続放棄を考えているなら、この段階で専門家に相談します。
▶ ステップ3:乗る・売るなら名義変更、解体するなら引き渡してから廃車の手続き
引き継いで乗る・売る車は、種類に合った窓口(普通車・126cc以上のバイクは岡山運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会、原付は市町村の窓口)で名義変更をします。解体する車は、引取業者に引き渡して解体が済んでから、廃車の手続き(普通車なら永久抹消登録)をします。原付は、外したナンバーを持って廃車の手続きをします。
▶ ステップ4:車・バイクを運び出せたら、家の中を本格的に片付ける
駐車場や車庫が空くと、片付けのときにトラックを停めやすくなることもあります。タイヤやバッテリーなど市で収集できない物は、販売店などへの相談先を確かめてから処分します。
コウノ産業の遺品整理では、事前に必要なものを伺っておけば、整理を進めながら指定の品物を探し出します。通帳、現金、印鑑、カード類や重要書類は分けて保管します。「車の鍵と車検証が見つからない」「保険の書類を探してほしい」といったご希望も、お見積りのときにお伝えください。
名義変更や廃車の手続きそのものは、上でご紹介した窓口で行います。作業の日時は、お見積りの内容にご納得いただいてから決めます。片付けから買取・回収・クリーニングまで、グループで一気通貫で対応しています。
出典:国土交通省ウェブサイト(中国運輸局)「岡山県内の運輸支局等」/国土交通省ウェブサイト(中国運輸局)「自動車の検査と登録」/自動車リサイクル促進センター ホームページ「用語集」/国税庁ホームページ「No.4105 相続税がかかる財産」/岡山市ホームページ「税【軽自動車税】手続き」「分かりにくい資源・ごみの分別区分」/倉敷市ホームページ「ごみの分別区分と出し方」/国土交通省「自動車検査登録総合ポータルサイト」「電子車検証特設サイト」。本記事では、コウノ産業がこれらの内容を要約・編集して紹介しています。
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